みなさん、こんにちは。
わんにゃん通信No.1408の続きとなりますが、実験動物の技術指導を体験した応用生物科学科2年生に、次のテーマで文章を書いてもらいました。
「実験動物技術を後輩に伝えることの意義と責任について、自らの経験を踏まえて述べなさい。」
応 用生物科学科は2年制ですが、2年間というその短い教育期間でも、突然小論文のテーマが与えられ、60分程度の時間で、「これくらいの文章を書けるように なるんだな。」 と思うと、ふだんはなかなか褒めることのない私ですが、よく書けていると心から思えますし、感慨深いものがあります。
その2年生達に敬意を表し、何回かに渡り、そのひとりひとりの文章を披露していきます。
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「実験動物技術を後輩に伝えることの意義と責任について、自らの経験を踏まえて述べなさい。」
応用生物科学科バイオコース2年 TH
実験動物の技術について知らなかった後輩たちは、私たちの指導でその土台ができていく。私自身もそうであったように先輩から技術や知識を学び、そこで実験動物の基礎を身に付けた。中には間違った形で覚え、それを正しいものとして思い込み、自分のものとしてしまっていたものもあった。そのようなことはあってはならないとその経験から感じ、責任を持って後輩への指導に取り組んだ。また、技術も知識もあいまいであるのに、それを先輩であるという優越感にひたりながら隠し、堂々とそれをふきこんでいるような人にならないように意識しはじめると、自分も似たような、また同じように実習に取り組んでしまっているのではないかと考えるようになった。わからないことはわからないと正直になり、基礎的なことも一から学び直した。自分の技術や知識をもう一度見直し、確かなものにすることが出来れば、後輩たちの実験動物分野においての可能性を広げる手伝いになると思った。私の実験動物技術では、まだまだ未熟なところや学ぶべきことがたくさんあると思う。だが、後輩たちに対して今の自分の力で出来ることはしてあげることが出来たのではないかと自負している。自分が受け持った班員の中に実験動物の資格取得を目指そうという志を持ち始めた人もいる。これは、とても嬉しいことである。
また、実習では「人に指導をする」ということに対しての苦難や自分に対するふがいなさを感じた。教える方もそうであれば、教えられる側にも様々な個性や力の差がある。その人その人に合った指導の仕方、ものの伝え方について臨機応変に対応しなければならないと思った。自分はこのように伝えたいのに相手が理解できる形として投げかけることが出来なくて、もどかしさを感じた。後輩の技術向上に貢献したいという気持ちは確かにあるのに、そのもどかしさに負けて逃げてしまったこともあった。今となっては、あのときにもっと真摯に向きあうべきであったと反省している。「人に伝える力」も、もっと身に付けるべきだと思った。
今回の実習において感じたこと、学んだことはたくさんあり、その中で楽しみを見いだす部分もたくさんあった。そこで将来、実験動物指導員になるという目標が生まれた。経験として得たものを忘れず、今後に生かしていけたらと思う。